『パーソナルで差をつける』イントラに必要なキューイングの極意

静岡県三島市、T’s Pilatesの幸野です!

今回はピラティスインストラクター向けにの内容。
テーマは永遠の課題である「キューイング」です!
キューイングについて理解を深めたい、キューイングを台本のように言ってしまっていて、意図が掴めていない方は是非最後まで読んで下さい!
ボリューム満点の有料級コラムです!

目次

そもそもキューイングって?

「キューイングってよく聞くけど、そもそも“キュー”って何?」
そう思ったことはありませんか?

実はこの「キュー(cue)」という言葉、もともとは演劇の世界で使われていたもの。
俳優がセリフを言い出す「きっかけ(合図)」を意味していて、「ここで動いて!」というタイミングのサインなんです。

フィットネスやピラティスの指導における「キューイング」は、この「cue」に現在分詞の「-ing」がついた形で、「動作や意識を促すための合図・声かけ」という意味で使われています。
つまり、「キューイング」とは“動きの合図やキッカケを教えてくれるナビゲーターのような言葉”
というわけです!

インストラクターよくある悩み!

こんなお悩みありませんか?

私を含めインストラクターによくある悩みとして

・いつもワンパターンのキューになってしまう
・初心者にどう伝えたらいいか迷う
・上級者にどうステップアップさせる?

こんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
今回はそんな悩みを解消する、キューの使い分けを解説していきますので日々のレッスンのヒントにしてみて下さい!

この4つのキューイングを覚えて!

キューイングは大きく分けて以下に示す4つの種類があります!

内部フォーカスキューと外部フォーカスキュー

4つのうちまずはこの2つです!

①「内部フォーカスキュー」:筋肉や部位を意識させる
「外部フォーカスキュー」:環境や結果に意識させる

このままではちょっと難しいですよね。
下の写真のようなブリッジエクササイズを例えに解説して行きましょう!

まずは「内部フォーカスキューの場合」

「おしりを締めながら骨盤を持ち上げて」

こんな感じで「お尻を締める」という自分の中にフォーカスを当てるキューとなっています。

内部フォーカスキューは、技術的な修正や細かな動作のコントロールが必要な場合に効果的ですが、その反面、クライアントの身体所有感覚が低い場合では「お尻を締める??よく分かんない」となってしまうのでレベルに合わせた使い分けが大切になります!

次に「外部フォーカスキューの場合」

「かかとでバーを踏んで骨盤を持ち上げて」

「かかとでバーを踏む」という行動にフォーカスを当てるキューとなっています。

外部フォーカスキューは、特に初心者に効果的で、動作を自然でスムーズに行えるよう促します
特に私が現場で使う外部キューは「押す」「蹴る」「踏む」「押し返す」といったワードが多いです!

呼吸のキューと動作の流れのキュー

残りの2つがコレです。

③「呼吸のキュー」:動作に呼吸の要素を加えていく
「動作の流れを意識するキュー」:滑らかさを引き出す

ピラティスにおいて最もエビデンスが高いのは「呼吸」と言われています。しかし、このHP内のコラムでも度々伝えているように現代人は反り腰が多く、呼吸がヘタクソです。そのため呼吸のキューにも意図を持って行う必要があります。

呼吸のキューの使い分け

①鼻から吸って準備→動作のスタート時に
②吸って背中に空気を入れて、吐く息でお腹薄く
→胸郭の拡張を意識させる
③吸って背骨の長さを意識して
→吸気に合わせたエロンゲーション
④吐きながら背骨1個ずつ丸めていきましょう
→呼気と動作を協調させて動きをスムーズに

このように「呼吸のキュー」では単に吸って吐いてだけではなく、動作や目的と組み合わせてキューイングを出すことでピラティスの効果を高めることが出来ます!

動きを“点”ではなく“線”で伝える:動作の流れを意識するキュー

ピラティスの大きな魅力のひとつが、動きの“滑らかさ”や“連続性”(フロー)です。
ただポーズを取るのではなく、一連の流れを感じながら動くことが、身体全体の協調性や集中力を高めてくれます。
そこで大切になるのが、「動作の流れ」を意識させるキューイングです。
キューの特徴として

「○○して、次に○○」ではなく
「○○しながら〜○○へ」という“つながり”を伝える言葉
がポイント。
動作が途切れず、先述の呼吸とも連動することで集中力と質の高い動きが生まれます。

この辺はグループレッスンを重ねているインストラクターさんが圧倒的に上手い印象があります。
動作の切れ目がぎこちない人・呼吸と動きがバラバラになりがちな人・エクササイズを“なんとなく”行ってしまう人は是非グループレッスンを受けてその技術を盗んじゃいましょう!

キューイングの「タイミング」

キューイングは「何を言うか」だけでなく、「いつ言うか」=タイミングもとても重要です。
クライアントの動きに合わせて、適切なタイミングで声をかけることで、より効果的に理解・実行・修正ができるようになります。
ここでは、代表的な4つのタイミングを紹介します

4つのキューイングタイミング

★タイミングのバリエーションはこの4つ!
・事前キュー
・リアルタイムキュー
・事後キュー
・遅延フィードバック

事前キュー

事前キュー=動く前の「準備のための声かけ」
動作を始める前に、姿勢・意識・呼吸の準備を整えるためのキューで、初心者や不安のあるクライアントに特に有効です。

例:「足を肩幅に開いて、体重を均等に乗せて準備しましょう」
→ 正しいスタートポジションができれば、その後の動きもスムーズに!

リアルタイムキュー

リアルタイムキュー=動作中の「その瞬間の修正やサポート」
動きの最中にリアルタイムで伝えるキューで、フォームの乱れや意識のズレをすぐにサポートできます。

例:「背中が丸くなってきたので、胸をもう少し開いてみましょう」
→ フォームが崩れる前に声かけすることで、スムーズな改善が可能に。

事後キュー

事後キュー=動き終えたあとに「振り返りと次回へのアドバイス」
一連の動作が終わったあと、気づいた点や改善点を伝えます。
中級〜上級のクライアントにおすすめで、自己評価力も育てられます。

例:「今の動きはとてもスムーズだったので、次はもう少し膝の位置を意識してみましょう」
→ クライアント自身の振り返りを促すことで、自立した動きが育ちます。

遅延フィードバック

遅延フィードバック=その場では言わず、時間をおいて“考えさせる”キュー
すぐに指摘するのではなく、少し時間を置いてから問いかけるスタイル。
上級者や学びが深い人向けの、内省力を高める指導法です。

例:「さっきの一連の動き、どこが難しかったですか?次回はそこを意識してみましょう」
→ “自分で気づく”プロセスが、動きの精度をより高めてくれます。

※初心者には混乱のもとになるので注意が必要です

クライアントレベルに合わせたキューイング


初心者には「安心」と「理解」

初心者レッスンのキーポイントは目的の動作を「理解しながら安全に」行えるように導くこと!

★キューイングの特徴
・外部フォーカスキュー多め(壁を押すように)
・呼吸のキューで動作のリズムと安定感をサポート
・シンプルで肯定的な言葉選び(大丈夫、そのまま続けてみて)

・フィードバックは事前+リアルタイム中心(安心感)

言葉は短く・明るく・優しく!クライアントの自己効力感を育てましょう!



中級者には「気づき」を促す

中級者レッスンのキーポイントは、動きの質を高め、自主的な修正ができるようになること!

★キューイングの特徴
・外部+内部フォーカスのバランスをとる
・呼吸+動作の流れを意識(息を吐きながら背骨を連動させて)
・フィードバックはリアルタイム+事後中心
・少し抽象的なイメージ(体を1枚の板のように保って)


「今、どこが動いてるの感じた?」と内観力を育てる問いかけ型の声かけも有効!



上級者には「自立した動き」と「感覚の洗練」

上級者レッスンでは、より洗練されたモーターコントロールと感覚の深まりを目指しましょう!

★キューイングの特徴
・内部フォーカスや動作の流れのキュー中心(動きを止めずに繋げて)
・フィードバックは少なめ・遅延型(自己評価力を育てる)
・抽象的・比喩的な表現も効果的(例:鳥が羽ばたくように、波のように背骨を動かして)
・クライアント自身に言語化させるのも◎


あえて黙る勇気も大事!考える時間を与えることが上達につながります!

いかがでしたでしょうか?

キューイングは、ただの“声かけ”ではなく、クライアントの動きを導く大切なコミュニケーション
その「種類」や「タイミング」を意識して使い分けることで、レッスンの質は確実にレベルアップします。
日々のレッスンの中で
「今のキュー、相手に合ってたかな?」
「タイミングはどうだったかな?」

と振り返る習慣を持つことが、インストラクターとしての成長にもつながります。


キューイングの実践的な使い方を、実際の動きと一緒に深めたい方には、インストラクター向けのレッスンもご用意しています。
実際の声かけ例や、レベル別アプローチも体感してみませんか?
ご希望の方ははオンライン予約リンク、または公式LINEからお気軽にお問い合わせください!

以上参考になれば嬉しいです。

また次回の投稿もお楽しみに!

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