【菱形筋】僧帽筋だけじゃない！肩甲骨を引き寄せるサブマッスル！

こんなお悩みはありませんか？

日常生活でこんなサインは見られませんか？

・背中や肩甲骨の内側がいつも疲れている…
・肩甲骨が寄りづらい動かしにくい

このような背中の違和感は、もしかすると “菱形筋” が影響しているかもしれません！
次の項目では、「菱形筋ってどんな働きをしているの？」という疑問に、わかりやすくお答えしていきます！

菱形筋とは

【菱形筋のザックリ解剖学】
菱形筋は、背骨（胸椎）から肩甲骨の内側に向かってついている、僧帽筋の深部に位置するインナーマッスルです。
「小菱形筋」と「大菱形筋」の2つに分かれていて、どちらも肩甲骨を内側に引き寄せる働きがあります。

菱形筋は、その名の通り「ひし形」に似ている事から菱形筋という名前がついており、肩甲骨の動きを内側からコントロールする役割を担っています。

まず代表的なのが、肩甲骨を内側に引き寄せる動き（内転）
例えば「胸を張る」や「背中で手を組んで肩甲骨を寄せる」ときに働く筋肉です。

加えて、肩甲骨を内側に回す（下方回旋）働きもあります。これは腕を下ろすときなどに働きます。
また、僧帽筋の上部線維と共同して肩甲骨を上に引き上げる働き（挙上）にも作用しています。

【専門家向けの解剖学：菱形筋】
『小菱形筋』
起始：第6〜第7頚椎の棘突起
停止：肩甲骨の内側縁（肩甲棘の上部）
『大菱形筋』
起始：第1〜第4胸椎の棘突起
停止：肩甲骨の内側縁（肩甲棘の下部）
作用：肩甲骨内転（メイン）・下方回旋・挙上

菱形筋と前鋸筋の関係性

菱形筋と前鋸筋は、肩甲骨の内側縁を挟むように前後から付着しており、まるで引っ張り合うようにして肩甲骨をコントロールしています。

具体的には、
・菱形筋は肩甲骨を内側に引き寄せる（内転）
・前鋸筋は肩甲骨を前に押し出す（外転）
この2つは拮抗的に働くことで肩甲骨の位置を調整し、同時に筋膜を通じて連動的にも機能しています。
しかし、何らかの原因で、どちらか一方が強すぎたり弱すぎたりしてしまうと、肩甲骨のに対する張力が崩れ、姿勢も崩れやすくなります。
そのため、どちらの筋肉もバランスよく働くことが大切になります。

菱形筋が弱くなると？

デスクワークやスマホ操作などで前かがみの姿勢（いわゆる猫背や巻き肩）が続くと、菱形筋は常に引き伸ばされた状態になります。

この状態が長く続くと当然、肩甲骨を背骨側に引き寄せる力（内転）が弱まり、肩甲骨が外側に開いたまま固定されやすくなります。

すると、本来なら菱形筋が支えるべき肩甲骨を、首や肩まわりの筋肉が代わりに支えようとして過剰に働くことに繋がる恐れがあります。

結果として、首や肩に余計な力が入りやすくなり、コリや張り、痛みといった不調が起こりやすくなるのです！

日常生活での菱形筋の活躍

① 自分の方に物を引き寄せるとき
タンスを引き出しを自分の方に引き寄せる、買い物袋を持ち上げて自分の方に引く…
そんな動作では、菱形筋が肩甲骨を内側に寄せて、腕の動きを安定させてくれています。

② 弓を引くような動作
アーチェリーのように腕を後ろに引く動きでは、肩甲骨が内側に寄せられることで、背中と腕がしっかりと連動します。
このときも、菱形筋が肩甲骨を支えてブレを防ぎ、力をしっかり伝えられるようサポートしているのです。

つまり、菱形筋は「動かす筋肉」ではなく、「動きを支える筋肉」！
肩甲骨の位置が安定することで、腕の動きがスムーズになります！

動画で学べる菱形筋のエクササイズ

菱形筋のピラティスエクササイズ

菱形筋のストレッチ

いかがでしたでしょうか？

菱形筋の理解は深まりましたか？
肩甲骨を内転するのは僧帽筋中部線維だけでは無かった！ということだけ覚えておいてくださいね！

菱形筋の求心性収縮と遠心性収縮を交互に行うには、リフォーマーの「ハグアツリー」のような動作がオススメです！
また次回の投稿もお楽しみしていてください！