【骨盤底筋群】 尿漏れ・ぽっこりお腹!女性の半数が悩むトラブルの正体

骨盤底筋群サムネイル
KIYOMI

T’s PilatesのKIYOMIコラム
「誰でもわかる解剖学」
今回のテーマは『骨盤底筋群』です!
「骨盤底筋」って聞いたことはあるけど、実はどこにあって、何をしてるのか…よくわからないという方も多いのでは?
実はこの筋肉、姿勢・呼吸・尿もれ・ぽっこりお腹にも深〜く関わっている、大事な「カラダの土台」なんです!
今回は、そんな「骨盤底筋群」について、役割や日常生活とのつながりをわかりやすくお伝えしていきます。
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!

目次

こんな不調、思い当たることはありませんか?

骨盤底筋群による不調かも?

日常生活でこんな不調を感じたことはありませんか?

・産後からお腹や骨盤まわりがゆるんだ感じがする
・トイレが近い、我慢がきかない
・骨盤が不安定

このようなケースでは骨盤底筋が正しく機能していない可能性が高いかもしれません。
ここから骨盤底筋について分かりやすく解説していきます!

骨盤底筋群とは

骨盤底筋群

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

骨盤底筋は、骨盤の一番下に位置するハンモック状の筋肉群です。恥骨・尾骨・坐骨を結ぶように、内臓を支えたり、排泄をコントロールする重要な役割を担っています。

【専門家向けの解剖学:骨盤底筋群】
▶ 恥骨尾骨筋
起始:恥骨(恥骨内側部)
停止:尾骨、腱中心、会陰体
▶ 腸骨尾骨筋
起始:腸骨弓(腱弓、腱性アーチ)、坐骨棘
停止:尾骨、仙尾靭帯、正中の筋膜
▶ 恥骨直腸筋
起始:恥骨(左右)
停止:肛門直腸移行部をぐるりと囲み、再び対側の恥骨に戻るループ状構造
▶ 肛門挙筋
上記3筋を合わせて「肛門挙筋」と呼びます。
▶ 尾骨筋
起始:坐骨棘
停止:第5仙椎〜尾骨の側面
(作用)
・内臓の支持・排泄コントロール・腹圧調整・姿勢安定化

骨盤底筋群のはたらき

骨盤底筋群のはたらき

骨盤底筋群のはたらき

骨盤底筋群のはたらきは以下のとおりです!

・尿や便をコントロールして、トイレトラブルを防ぐ
・内臓や骨盤を下から支える
・呼吸と連動して動き、呼吸をサポート
・体幹のインナーマッスルとして、姿勢やバランスを安定させる

日常生活に思いっきり関わっている大事な筋肉であることがわかりますね!

体幹のインナーユニットとしての働き

インナーユニット

体幹の「インナーユニット」とは、体の中心(コア)を内側から支えてくれている4つのインナーマッスルのことです。

・横隔膜(天井)
・骨盤底筋群(底面)
・腹横筋(前〜側方)
・多裂筋(後方)

この4つがチームのように連動して、お腹の中の圧(腹腔内圧)を保ちながら、体の軸を安定させてくれます。
イメージとしては、お腹の中に“空気の入った風船”があるような感じ。
その風船を、上・下・前後・左右からバランスよく支えてくれているのがインナーユニットです。

この仕組みが整っているからこそ、姿勢が安定したり、呼吸が正しく機能することが出来るのです!

骨盤底筋と呼吸の関係

骨盤底筋と呼吸の関係

骨盤底筋と呼吸の関係

前述の通り、骨盤底筋は呼吸との深い関わりがあります。

吸気(息を吸う時)
・横隔膜が下がる
・内臓も下方に押し出される
⇒それに伴い、骨盤底筋も協調的に弛緩(わずかに下がる)

呼気(息を吐く時)
・横隔膜が上がる
・骨盤底筋群が収縮(内側・上方に引き上げる)
・腹横筋も連動して収縮
⇒腹圧が高まり、体幹が安定

この“上下のリズム”が整っていることで、呼吸が深くできたり、お腹や骨盤まわりに自然と力が入りやすくなります。

しかし、骨盤底筋が硬直していると、吸気に伴い骨盤底筋が弛緩出来ないので、呼吸が浅くなる可能性があります。反対に何らかの影響で呼吸が浅くなってしまうと骨盤底筋の硬直化を促進してしまう可能性があり、負のループになりやすいとも捉える事が出来ます。

出産と骨盤底筋の関係

出産と骨盤底筋の関係

出産と骨盤底筋の関係

①ホルモンの影響で緩みやすくなる

妊娠すると「リラキシン」や「エストロゲン」といったホルモンの分泌が増え、カラダ全体が柔らかくなります。骨盤やその周りの靭帯・筋肉もゆるみやすく、骨盤底筋のサポート力が一時的に弱まるのです。これ自体は、出産の準備のために必要な反応ですが、当然不調の原因にもなりえます。

② お腹の重みが骨盤底筋にのしかかる

お腹が大きくなるにつれて、胎児・子宮・羊水・胎盤の重みが下へかかります。
こうなることで常に骨盤底筋がストレッチされた状態が続き、以下のトラブルが起こりやすくなります。

・ 尿漏れ
・ 内臓下垂感
・ 腰痛や股関節まわりの違和感

特に妊娠後期(7ヶ月以降)は負荷が増すため、注意が必要です。
そして出産時には、赤ちゃんが産道を通ることで、骨盤底筋がグッと強く引き伸ばされ、筋肉や神経が傷ついたり、弱くなることがあります。

妊娠〜出産〜産後はママにとって”命がけの大仕事”ということです。

骨盤底筋群が弱くなると?

妊娠出産にかかわらず、骨盤底筋がうまく働かなくなると、

・お腹の感覚がぼんやりして力が入れづらくなる
・尿もれや頻尿、トイレを我慢しづらい

上記のような自覚症状があらわれることがあります。

また下腹部だけポコっと出てしまうような「ポッコリお腹」はほとんどのケースで骨盤底筋が弱くなって、腹圧のコントロールが出来ない結果として現れています。

加えて、骨盤底筋は膣や肛門を取り囲む筋肉でもあることから機能低下に伴い、性交時の感覚が鈍くなる、締まりが弱くなる、 満足感の低下など性生活にも関わる大切な筋肉になります。

動画で学べる骨盤底筋群のエクササイズ

骨盤底筋群のストレッチ

① 仰向けになって両膝を曲げる
② 両手で足の裏(またはつま先)をつかみ、自分の方に引き寄せる
③ この姿勢で深呼吸を数回繰り返します
吸うとき は 肛門を「キュッ」と軽く締めるイメージで
吐くとき は力を抜いて、骨盤まわりがゆるんでいくのを感じましょう

骨盤底筋群のピラティスエクササイズ

① 仰向けになり、両足はボックスや台の上に乗せる
(かかと同士をつけ、股関節から膝を開く)
② 息を吐きながら、かかとをさすようにボックスを押し、お尻を持ち上げる
③ 吐きながら上の背骨からゆっくりマットに下ろしていきます

いかがでしたでしょうか?

骨盤底筋群の理解は深まりましたか?
ウィメンズヘルスには欠かせないのが骨盤底筋群ということが分かったかと思います。

ピラティスは骨盤底筋群を鍛えるにも非常に相性がいいので、解説したようなトラブルに悩まれている方は是非お近くのピラティススタジオに行ってみてはいかがでしょうか?

それでは、また次回の投稿もお楽しみしていてください!

KIYOMI

以上参考になれば嬉しいです。

また次回の投稿もお楽しみに!

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