インストラクターに思うこと 〜資格取得がゴールになっていませんか？〜

はじめに

近年のピラティスブームを背景に、インストラクターを目指す方が急増しています。
私のもとにも「どこのスクールがいいですか？」「資格って何を取ればいいですか？」という相談が頻繁に届きます。

確かに、資格取得は学びの入口として重要です。しかし、そこで立ち止まってしまっていないでしょうか？
本来は「クライアントを良くしたい」という気持ちがスタートだったはずが、気づけば「資格を取ること」や「自分の肩書きを増やすこと」が目的になっていませんか？

とくにマシンピラティスでは、複数のマシンの資格を全て取得することで“コンプリヘンシブ”という称号を得ることができます。ですが、それは誰のためのものですか？
クライアントは“コンプリヘンシブ”という言葉さえ知りません。
彼らが求めているのは「変わること」「良くなること」であり、インストラクターの肩書きではないのです。

ピラティスの動きを覚える＝良いインストラクター ではない

もう一つ、強く伝えたいことがあります。
「ピラティスの動きを覚えること」＝「良いインストラクターになること」ではありません。

むしろ重要なのは、その動きが何を目的としているのか？
どの筋肉を、どの方向へ、どういうキューイングで導くか？
その裏にあるバイオメカニクス的な視点や、機能解剖への理解こそが指導の本質です。

本当に現場でピラティスを“使える”ようになるには、ピラティスだけ知っていても意味がありません。
解剖学・運動学・整形外科学・心理学・そして何より「人」と接するコミュニケーション力があって、初めて“指導者”として立てるのです。

資格取得前に気を付けてほしいこと

資格取得を目指す方に向けて、以下の点はぜひ意識しておいてほしいと思います。

■ 動きだけを覚えに行かないこと

→動きだけなら書籍やYouTubeでも学べます。
資格スクールでは、「なぜこの動きが必要か？」「どんなクライアントに向いているか？」といった、背景と目的を学ぶ場にしてください。
セミナーやスクールは受けに行く（受動的な）場ではなく、奪いに行く・盗みに行く（能動的に）場にしましょう。

■ 必ず予習していくこと

→セミナーで行うであろうエクササイズは、事前にある程度動けるようにしておきましょう。
セミナーでは、動きを覚えるよりも、「この動きで何を伝えたいか」「どんな指導をするべきか」を深めることに集中するのがベストです。
特にマシンピラティスでは、「リフォーマー資格を取りに来たけどリフォーマーに触ったことがない」では話になりません。
最低限、自分の身体で体験しておくのが受講のマナーです。

■ 資格テストが“暗記の発表会”になっていないか？

→ペアを組んで、事前に動きとキューをすり合わせたうえで行うテスト。
実はこれ、よく聞く話です。
でもそれで合格して得た資格に、果たしてどれほどの意味があるのでしょうか？
現場では1mmも使えないスキルでは、クライアントを変えることはできません。
また、そんな事で資格が与えられるスクールは情弱ビジネスと思わざるを得ません。

■ 横の繋がりを大切に。

セミナーやスクールには同じ志を持った“仲間”が居ます。
ぜひこの仲間との繋がりを深めてみてください。
実際にセミナーでは、講師からではなく、受講者からも学べる要素がたくさんあります。
人柄、コミュニケーション力、雰囲気などは知識技術とはまた違います。
敵視せずに、積極的に交流してみてください！一生ものの繋がりがうまれるはずです。

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「ちゃんと教えられるインストラクターになりたい」方へ

とはいえ…
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ここでは、ある程度動けること、指導経験があることを前提に、「今の課題を一緒に整理し、解決していくことを目的」としています。

資格は取った。現場にも出ている。
――でも、「本当にこれでいいのか？」と迷っている。
そんなフェーズは、早めに卒業しましょう。

「本当の指導者」になるためのサポートを、私がします。

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