【股関節外旋筋群】縁の下の力持ち!股関節を奥から守るインナーマッスル

股関節外旋筋群サムネイル
KIYOMI

T’s PilatesのKIYOMI先生のコラム
「誰でもわかる解剖学」
今回のテーマは『股関節の外旋筋群』です!
みなさんは、日常生活の中で「お尻の奥の筋肉」を意識したことはありますか?​
股関節の外旋筋群は、私たちの“動きの要”ともいえる存在!​
立つ・歩く・座るといった基本動作を、骨盤と大腿骨の「つなぎ目」から支えてくれている、とても重要な筋肉たちです。​
そんな外旋筋群を分かりやすくも、ちょっと専門的に解説していきます。​
ぜひ最後まで読んでみてください!

目次

『あなたの外旋筋、ちゃんと働いてる?』こんなサインに要注意!

こんなお悩みありませんか?

こんなお悩みありませんか?

日常生活やピラティスの動作中に、以下のようなサインが見られることはありませんか?​

・膝が内側に入る癖がある(歩行や膝の屈伸時に膝が内側に向いてしまう)
・前、外ももばかり使ってしまう(太ももの前や外側に疲労感や張りを感じる)

・股関節に詰まり感や引っ掛かり感がある

これらは、股関節の外旋筋群がうまく働いていないサインかもしれません!
次のスライドでは「そもそも外旋筋群って何してるの?」をわかりやすく解説します!

股関節の外旋筋群を詳しく解説

股関節の深層外旋六筋

股関節の外旋筋群は、全てが股関節の外旋(太ももが外側にねじる)動作を担う筋肉群で、以下の6つ筋肉が含まれます!

梨状筋(りじょうきん)
上双子筋(じょうそうしきん)
内閉鎖筋(ないへいさきん)
下双子筋(かそうしきん)
大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
外閉鎖筋(がいへいさきん

骨盤から大腿骨に付着しており、表面ではなく奥の深いところにある筋肉です!

【専門家向けの解剖学】
1. 梨状筋
起始:​仙骨の前面(第2~第4仙椎の前面)
停止:​大腿骨の大転子上部
2. 上双子筋
起始:坐骨棘
停止:​大腿骨の大転子内側
3. 内閉鎖筋
起始:​閉鎖膜の内面および周囲の骨
停止:​大腿骨の大転子内側
4. 下双子筋
起始:坐骨結節
停止:​大腿骨の大転子内側
5. 大腿方形筋
起始:坐骨結節
停止:​大腿骨の転子間稜
6. 外閉鎖筋
起始:​閉鎖膜の外面および周囲の骨
停止:​大腿骨の転子窩

股関節の外旋/内旋

上記6つの外旋筋群は股関節を外に開く「外旋」の動きに作用し、股関節の深い部分に位置することから「深層外旋六筋」とも言われます!

外旋だけじゃない!外旋筋群のはたらき

外旋筋群のはたらき

外旋筋群のはたらき

外旋筋群は、股関節をしっかり安定させるためにとても大切な筋肉
大腿骨の先端(大腿骨頭)が、骨盤側のくぼみ(臼蓋:きゅうがい)にはまり込むようにグッと押し込む働きがあります。これを「求心力(きゅうしんりょく)」といいます。

この働きによって、関節がグラグラしたり、ズレたりしないように支えているのです。

また、これらの筋肉は「股関節のインナーマッスル」とも呼ばれており、歩いているときや立っているときのバランスを整えたり、関節への負担を減らしたりする役割も担っています。

こうして見ると、「外旋」という動作そのものよりも、私たちが無意識にとっている姿勢や動作を“陰で支える存在”として、外旋筋群が非常に重要な役割を担っていることがわかります。

梨状筋は外旋筋なのに内旋にもはたらく!?

梨状筋は股関節の角度によって作用が変わる!

梨状筋は、股関節の屈曲角度によってその作用が変化する特徴を持っています!

股関節が伸展位または軽度の屈曲位(約60〜70°以下)では、梨状筋は股関節の外旋に作用します。
しかし、股関節の屈曲角度が約60°を超えたあたりから、梨状筋が大転子よりも前側に移動する為、内旋に作用するんです!

このように、梨状筋の作用は股関節の屈曲角度によって変化するため、エクササイズやストレッチを行う際には、股関節の角度に注意を払い、適切なアプローチを行うことが重要になってきます!​

弱いとどうなる…?

外旋筋群が弱いと

外旋筋群の筋力が低下すると当然、股関節は不安定になります!
外旋筋群がうまく働かないことで、内旋作用を持つ大腿筋膜張筋は短縮し、外ももが張ったり、股関節の前側がつまる感じや、鼠径部(股関節の付け根)に痛みを感じる可能性があります。

ちなみに股関節の前捻角の大きい場合は外旋筋力が低下しているケースも多く、ニーインが顕著です。
しかしコレは骨性の安定性に欠けるが故の代償動作なので、無理矢理ピラティスの正しい形に持っていくのは悪です。
股関節の前捻角に関しては以下のコラムをチェックしてみましょう⇓
https://ts-pilates.com/column122/

坐骨神経痛との関わり

坐骨神経痛との関わり

外旋筋群の中でも、特に梨状筋と、内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋の3つの筋肉が硬くなると、坐骨神経を圧迫する可能性が高まります。

坐骨神経が圧迫されると、お尻から脚にかけての**痛みやしびれ(いわゆる坐骨神経痛)**が生じることがあり、梨状筋症候群や深臀部症候群と呼ばれます。

​適切なストレッチやエクササイズで、坐骨神経の周囲にある筋肉の柔軟性を保つことが、予防や改善につながります!

動画で学べる外旋筋群のエクササイズ

ここからは実際に外旋筋群のエクササイズを動画で解説していきます!

梨状筋・腸脛靭帯のストレッチ

1.四つ這いの状態から足を4の字にする
2.軽く骨盤前傾しながら体重を前にかける
⇒曲げている方のお尻が伸びていたらOK!
股関節の屈曲が大きいので凱旋していますが梨状筋のストレッチに繋がります

外旋筋群を含め股関節周囲を緩めるエクササイズ

股関節に痛みがある人にはこちらがおすすめ!
1.うつ伏せの状態から膝を曲げる
2.円を描くように足を回す
痛みがない範囲で足をぶらぶらしてみよう!

外旋筋群のピラティスエクササイズ(クラムシェル)

①横向きで寝て、膝は直角に曲げましょう
②かかとをつけたまま上側の膝を外に向けて開きます
⇒お尻に効いている感じがあればOK!
★股間節を0・45・90°の角度でやってみましょう!まんべんなく外旋筋に効かせることができます!

まとめ

股関節の外旋筋群は、ただ単にお尻の奥に存在する筋肉というだけではなく、私たちの日常生活のあらゆる動作を支えている“縁の下の力持ち”なんです!

これらの筋肉は、立つ・歩く・走るといった基本動作を行う際に、骨盤や股関節の正しい位置を保ち、大腿骨頭をしっかりと臼蓋内に固定することで、関節の安定させます。
そのおかげで、日々の動作がスムーズに行え、また、無駄な代償動作によって引き起こされる膝や股関節の負担を軽減しています。

このように、外旋筋群は全体の姿勢の安定、動作の効率化、そして関節の保護において欠かせない役割を果たしているのです!

KIYOMI

以上参考になれば嬉しいです。

また次回の投稿もお楽しみに!

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